前々回の記事では、受付用の電話機設置についてのお話をさせていただきました。
受付用の電話機の他、FAXなども単体電話ユニットという基盤を実装することでここから外部機器への接続が可能となります。
今回はこの単体電話ユニットを用いずに受付用電話機やFAXを接続する方法についてお話ししたいと思います。
上図はNTT製の「単体電話アダプター」と呼ばれるものです。通称「SLAP」などと呼んだりもします。
さて、ビジネスフォンの見積り依頼をするときに、受付用電話機を設置したい旨を業者に伝え忘れることは一般的にあまりないようです。恐らく設置イメージの中で、また必要機能として漏れにくいのかと思います。
一方、FAXについては電話と同じ回線を使用していることを伝え漏らしたり、またそもそも電話と共用していることを把握していないお客様も多いようです。FAX番号が電話とは別番号でも、同一回線で追加番号を取得して利用することも可能ですので、見た目だけでは判断できないのが見落としの大きな原因でしょう。
電話回線のことについてはまた別な機会にご説明します。
FAXで使用している回線が電話とは別回線であれば全く問題ないのですが、電話と共用で同回線で使用している場合、このことを伝え漏らしますと当日、FAXが使用できないという事態が発生します。つまり前々回の記事で言うところの「単体電話ユニット」を業者が発注時に入れないことで、FAX接続ができないということになります。
この様なとき、ひとつだけ解決方法があります。
それは「単体電話アダプター」を使用してFAX接続をする方法です。
しかしながら、この単体電話アダプターも一種のビジネスフォンの機材ですので、そもそも工事担当が当日持ち合わせていなければ実現不可です。弊社の工事担当もいつも持ち歩いているわけではありませんが、在庫に余分がある場合には持たせるようにしています。
この単体電話アダプターは、これに接続された機器をビジネスフォンの電話機のひとつとして主装置に認識させることができます。
上述の通り、FAXや受付用電話機などビジネスフォン以外の機器を接続する場合、「単体電話ユニット」を主装置に実装し、そこから外部機器に接続しますが、この単体電話アダプターを用いることで、外部機器をビジネスフォンの電話機に接続するポートに接続できるようになります。
話しが前々前後しますが、ビジネスフォン電話機を主装置に接続するためには、「内線ユニット」と呼ばれる基盤が必要でず。
この内線ユニットは、1枚でおよそ8台程度のビジネスフォンが接続可能です。「およそ」と記述したのは、メーカーや型番によって接続可能数が異なるためです。
つまり、「単体電話アダプター」を介すことで、FAXなどの外部機器を内線電話ユニットに接続することができます。
もちろんこの内線ユニットに空きポートがあることが条件となります。
単体電話アダプターがあっとしても、内線ユニットに目一杯電話機が接続されていれば、この方法での接続もできません。
その場合の苦肉の策として、電話機を1台減らしてしまうことで解決します。
複数台電話機があり、1台くらいなくなっても支障がない場合、この手は有効です。
FAXが使用できないよりは良いのではないでしょうか。
後日、単体電話ユニットを介して通常の接続方法に戻せば、電話機の台数も元通りとなります。
さて、電話機を1台減らしたことで、内線ユニットのポートがひとつ空きますので、この空いたポートから単体電話アダプターを介して外部機を接続すればFAXも使えるようになります。もちろん、接続方法が異なっても使用方法は変わりません。